病院長挨拶

病院長 田中 栄

皆様とともに歩む東大病院

東京大学医学部附属病院ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

東京大学医学部附属病院(以下東大病院)は、その前身である神田お玉ヶ池種痘所から数えると、160年以上の歴史を有する、わが国を代表する病院のひとつです。国立大学附属病院の使命は診療・研究・教育であり、この使命を果たすことにより、地域および社会に貢献することが期待されています。東大病院は、「臨床医学の発展と医療人の育成に努め、個々の患者に最適な医療を提供する」ことを理念としていますが、これは「患者さんの意思を尊重し、個々の患者さんに安全で確実な医療を届けることを目指し、その目標を共有できる、優れた医療者を育てる」ということです。私たちは「患者の意思を尊重する医療の実践」、「安全な医療の提供」、「先端的医療の開発」、「優れた医療人の育成」という目標を掲げて、この理念の実現に取り組んでいます。

診療面では高度な医療を担う特定機能病院として、ロボット支援手術、がんゲノム医療、臓器移植などの最先端の医療を担い、東京都の総合周産期母子医療センターとしてリスクの高い妊娠・出産、そして新生児医療に取り組んでいます。新型コロナウイルス感染症流行の際には、多くの重症・中等症の新型コロナウイルス患者を受け入れることで、行政と協力体制を築きながら地域の感染症対策に貢献してきました。

研究面では平成28年に臨床研究中核病院に承認され、適正な臨床研究によって新たな医療の開拓を推進するとともに、科研費をはじめとした多くの競争的研究費を獲得し、最先端の研究成果を世界に発信し続けています。

教育面では、医学部学生や看護学生の講義や実習を担うとともに、初期研修医や後期研修医、そして看護師をはじめとしたメディカルスタッフの教育を通じて、患者さんに寄り添い、高いレベルの医療を提供するという東大病院の目標を共有できる、優れた医療人の育成に取り組んでいます。

このような取り組みが評価され、東大病院は2023年にNewsweek誌が発表したWorld Best Hospitalでは、わが国で1位、世界でも17位の病院として高い評価を受けています。

昨今の医療は科学技術の発達に伴って高度化しています。東大病院は、最新の医療技術や知見を取り入れながらも、患者さんと向き合い、個々の病状やニーズに合わせた医療を提供することを目指しています。これからも東大病院は、地域の皆様や他医療機関と手を携え、患者さんの健康を守るとともに、わが国の医療や社会の発展に貢献する存在であり続けたいと考えています。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

2023年4月